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また明日/流三

※高校生、くっついてない二人 病院の帰り道だった。 どこが悪いということもなく、単なる定期検診の帰りである。膝を痛めて手術をし、リハビリを投げ出して二年。それから急に激しい運動を再開したものだから、再発の不安は常に頭の片隅にあった。インター…

HIPHOP退屈男/流三

※付き合いたての高校生※タイトルにも内容にもあまり意味なし「お前んちってさあ」 先程からずっと床に寝転がって音楽を聴きながら雑誌を読んでいた三井だったが、不意にヘッドフォンをずらすと、同じように床のうえで雑誌を読んでいた流川を見上げて言った…

Sleepwalker/流三

※出来上がってる大人流三 ベッドからおりるなり後ろから急にTシャツの裾を引かれ、流川は思わずたたらを踏んだ。「先輩、伸びる」「んー……」 緩慢な返事とともに、三井の長い腕がばたんと力なくシーツのうえに落ちる。「カーテン、開けていいっすか」「…

愛の病/洋三

※飛んで火に入るの二人 水戸は昔から、自分には執着心というものがないのだと思っていた。 一番困るのが、好きなものを聞かれることだ。好きな食べ物、お気に入りのブランド、よく聴く音楽、繰り返し観た映画。こちらが問えばみなすぐにあれこれ嬉々として…

Do You Want To/仙三

 三井さん、と呼びかけると、きれいなアーモンド形の瞳が上目遣いに仙道を見上げた。「なんだよ」「いや、べつに。呼んでみただけです」「はあ?」 三井が怪訝そうに眉をひそめる。仙道は作りたてのカップ麺を折り畳み式のテーブルへ並べながら、そういえば…

君は僕のなにを好きになったんだろう/流三

 アンタが好きっす、とはじめて言われたとき、三井はてっきり喧嘩を売られているのだと思った。流川の顔はそのくらい険しく、どうも自分から告白しておいて相当に不本意かつ不可解だったらしい彼の心情が、その麗しい顔面を存分に使って雄弁に語られていた。…

ある五月の日のこと/流三

「――お、やっとお目覚めかよ」 流川が重い瞼を持ちあげると、聞き覚えのある声が頭上で出し抜けに言った。「……せんぱい」 湿った睫毛をぱたぱたと上下させながら、寝起きのかすれ声でなんとか応える。声の主は三井だった。「おう」「……はよーございま…

Daydream Believer/流三

 ぴぴぴ、とスマートフォンのアラームが鳴り、夢現の狭間を漂いながら腕を伸ばす。 目をつむったまま特注のおおきな枕をばふばふと叩き、枕元へ置いたはずのスマートフォンを探した。けれど、どれだけ手を彷徨わせても目的の物にはたどり着けない。 そうし…

All The Young Dudes/リョ三

 憧れのNBAプレイヤーになったからといって、幸か不幸か、街中で若い女性たちに囲まれるとか、所構わずサイン責めにあうとか、パパラッチに追いかけられるとか、そういう有名税的な煩わしさが増えたかというと、特にそんなことはない。バスケという競技自…

吐きたくなるほど愛されたい/流三

 実用性はないが芸術性の高い写真集とか、古い白黒映画とか、母親の本棚にある古い少女漫画とか、そういう感じの絵面だった。そんな絵面が、西日も差さぬ薄暗い体育館裏の杉の木の下に、なんの飾り気もなく広がっていた。 流川が花を吐いている。 これは比…

初恋/流三

※恋のピクチャーのふたりです 無口で不愛想。流川楓の代名詞みたいなものだ。だがべつに、意識的に孤高の存在であろうとしたりとか、能動的に他人を拒絶して生きてきたつもりはない。ないのだが、世間一般の評価は恐らく違うのだろう。 学生時代まで遡って…

幸せな野獣/仙三

 車の運転とセックスには、その男の人間性が如実に出ると言う。そう考えると、いま三井の部屋の三井のベッドで元気に腰を振っているこの男――仙道彰は、いったいどういう人間性を持った男なのだろう。「……ね、ちょっと。ずいぶん余裕じゃないっすか」 そ…